五十番

2014.3.20

近頃中国の料理の番組を動画サイトでよく見ます。

その動画では中国の食文化にかなり深く触れていて、山奥の村で食べられている料理を紹介したり、料理を作っている家族の背景にもフォーカスして、家族構成や、現代の中国の生活様式などもわかり、とても面白いです。 まあ当然といえば当然なのですが中国なので、餃子がよく出てきます。中国では焼き餃子よりも水餃子がメインのようで、日本で言うところの焼き餃子は、中国では名前も全然違います。

ある時、就職で田舎から都会に出て行った一人の男性に密着している回があって、その男性は日頃、従業員が数千名働いてそうな、とてもハイテクな企業に勤めており、日々忙しい生活に追われ、家族と一緒に狭いアパートに住んでいます。そんな彼が連休になると、遠く離れた田舎の実家に帰省し、家族との再会を喜び、祖父や祖母は孫にいろんなことを教え、家族みんなで料理を作り、みんなで食べます。小さな孫も、美味しそうに餃子を食べていて、動画を見ていると、とても良い文化だなあとしみじみ思いました。都会で日々の仕事を頑張るために、田舎に帰り、心身共に、養生する。そんな風に見えました。

僕も時折実家に帰ることがあるのですが、毎回親が、どこかに食事に行こうか?と、聞いてきます。僕はあまり気が進まず、いつも断っていました。親も、世代が違う子供に気遣って、外食の方がいいのだろうと思っているようです。僕は中国の動画を見たあたりから、こんな風に考え始めました。「親が生きている間に、親の料理を食べておきたい。」と。

先日また実家に帰ることがあったので前の日に電話で、「お好み焼きを作ってよ。」と頼みました。僕の母は関西出身だからです。数十年ぶりに食べました。もう昔の味は、正直あまり覚えていませんが、その日食べたお好み焼きはとても美味しかったです。母も料理を作っているときは心なしか楽しそうでした。中国の動画のように、一緒に食事を作って一緒に食べるようにしようと思いました。忘れていたことに気がついた気がしました。

僕が住んでいる福岡県の久留米に五十番という餃子屋さんがあります。ここの餃子はとても美味しいです。しかしそれは味だけではありません。狭い店内のこじんまりとした雰囲気。店主のおじいさんとお客さんとの親近感。お客さんとの会話を見ていると、まるで実家に帰ってきた子供と父親が話しているような感じさえします。餃子というのはそういう効果があるのでしょうか?不思議ですね。

五十番
福岡県久留米市東町34-42
17:30~22:00 / 定休日 日曜・月曜
0942-32-4194
食べログ

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