映画 2018.5.22

小さい頃は 神様がいて 不思議に夢を かなえてくれた
これは魔女の宅急便(ジブリ)の歌の歌詞ですが、人は、幼い頃は感情のままに行動を起こします。大体のことはそれでいい結果になりますが、たまに失敗したり、大人から怒られたりして、その経験から頭を使えるようになります。すると、感情のあとに一度頭で考えてから行動を起こすようになります。もしも、なんらかの理由で、小さい頃の感覚のまま大人になってしまった人がいたとしたら、おそらく今の社会では受け入れてもらえず、変わり者扱いされるでしょう。

この映画の主人公は、そんな、社会から変わり者とされてしまっている大人のひとり。小さい頃からの数奇な運命も相俟あいまって、はたから見れば変わり者への道を突っ走っている様に思えるのだろうけど、本人は至って真面目。
そんな彼に仲間が出来て、その仲間たちもそれぞれがまた、彼の様に変わり者であるから、彼の数奇な人生にさらに拍車がかかり、とんでも無いことを起こしてしまいます。

ミックマックって何かと思ったら、語呂がいいから付けた造語らしく、あえて意味を言うなら、ミックは「策略、陰謀」の意味で、マックは「たくさん」の意味だそう。
内容は、主人公と仲間たちが、主人公のとある個人的な復讐に付き合って、大きな事件を起こします。あまりに大きなところを相手に事を起こしたもんだから、起こされた側に見つかった時に「誰に雇われた!?」と聞かれ、困って答えたのが、「誰にも・・・フリーでやってます」

主人公もそうだけど、個性的な仲間たちがみんな、思い思いに行動します。まるで手に負えない保育園児たちのように。いや、保育園児の感覚のまま、大人になっているものだから、頭も使えるのです。やられる方はお手上げ状態。

物語の背景はリアリティーがあるのだけれど、描き方がファンタジックで、シリアスでポップな映像とサウンドは、派手さもクドさも無く、その世界観がなんともフランス人らしい。アメリカ映画とは違う面白さがあります。
フランスの映画は何個か見たけど、どれも人の感情の動きがとても面白いと思います。役者の目の動きや表情、そして「間」を使って、人の “感情” の部分を繊細に表現していて、見ているとその人の感情の動きに人間味を感じて、その人をどんどん好きになっていき、映画自体は淡々としているのに、なぜか引き込まれていきます。この映画も、初めは主人公のことを「なんだこの変な人」と思っていたら、気がつけばいつのまにか魅了されていて、最後は彼の仲間たちのように、彼を応援していました。

そういえば冒頭のシーン。ちょっとネタばれですが、不運で主人公の頭に弾丸が当たってしまうのです。背景で古い映画が流れているのですが、弾丸が頭に入っていっているちょうどその時、映画の女優が言っているセリフが、「あなたといさせて。」
まるで弾丸が、主人公に「あなたといさせて」と言っているように始まります。そこからストーリーの始まりです。この主人公は、どうやら変わり者(物?)に好かれるようです。
彼の事を気に入ったあなたも、ちょっと “変わり者” かもしれません。

ライン

映画の予告編

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