映画 2018.3.15

とある宇宙船がインドの砂漠に舞い降り、ひとりの男が出てきます。この男、首にドラゴンレーダーのような光る石をぶら下げているけど、真っ裸。男がそのレーダーに触れると、宇宙船は雲に包まれどこかへ去って行きました。そして初めて出会った人間にそのレーダーを盗られてしまいます。

この男には、地球ではごく当たり前のルールが通用しません。彼は人がびっくりするような行動ばかりするのですが、それは彼にとっても同じようです。地球人の行動は彼にとってはびっくりすることばかり。そんな状況で盗られたレーダーを見つけ出すために独特な発想で知恵を付けていきます。たとえば、人から怒られそうな雰囲気になるとほっぺたに神様のシールを貼ります。すると、インドの人はほとんどが信仰を持っているので、叩こうにも叩けません。そんな感じでルールに捉われない奇妙な行動をするので、人は彼のことをpk(ピーケイ:ヒンディー語で酔っ払いの通称)と呼ぶようになります。

ひょんなことから、レーダーを見つけるのですが、ヒンドゥー教の導師が持っていて、神様からの贈り物だと言います。このヒンドゥー教の導師は実は見せかけで、ヒンドゥー教を使ってお金儲けをしてる邪教の導師なのですが、pkは「嘘」というものを知らないので、その胡散臭い導師と、レーダーを懸けて純粋に真っ向勝負を始めます。

ある男が言いました。「導師様、妻が病気で、病院でもう治らないと言われました。」 導師は神と話し、「神はあなたに、まず列車でヒマラヤへ行きそこからバスでどこどこへ行って、そこで8日間お祈りをしなさい。と言ってます。」と言います。 pkがそこで「導師様、それは神様からではないでしょう。間違い電話のように、偽物の神様にかけ間違えてます。本物の神様だったら、妻のそばにいて看病しなさいと言うでしょう。」と言うのです。ちょっと一休さんみたいですね。

そのやりとりがテレビで放映され、インドで「かけ間違え」探しブームが巻き起こります。いろんな邪教の人たちの悪事が浮き彫りになっていきます。

そんなpkの目線で世の中を見てみると、「それはかけ間違えだー」と言えるところがたくさんあるような気がします。 日本人はあまり宗教を意識している人は少ないですが、この「かけ間違え」は、宗教に関わらずともあるような気がします。たとえば、真面目に物事に向かうことは素晴らしいことだと教えられてきたので、真面目に働くあまりに、会社に居る時間が長〜くなり、家族との時間を疎かにしている。これは真面目に「自分の人生」と向き合っているのか。

インドの宗教問題の映画と捉われがちですが、私はそんなことはないと思います。私たちにも学ぶところがたくさんある映画でした。そして、とってもコミカルにポップに描かれています。2時間半ありますが、終始笑いながら(たまに泣きながら)観ました。ここには載せていない話がまだまだ含まれていて、映画のシナリオとしては内容がてんこ盛りなのですが、これだけの内容を、観る人の頭を混乱させることなく表現するインド人は、やはりとてつもなく頭がいいのでしょう。私は「足し算」より「引き算」を重要視し、あまり内容てんこ盛りの映画は好きではないのですが、この映画はその「足し算」も上手いことまとめてあって、見終わった後も爽快でした。2時間半があっという間でした。たまに歌や踊りもあって、ついつい一緒に踊りたくなるような動きで、クセになります。

内容は敢えて伏せておきますが、最後のシーンは観ていて「それ有りか?」と少し思ってしまったのですが、あとあと考えると、もし私がインド人でインドに住んでいたら、あのシーンを観ると、「常に意識を高く持って生きていよう。」と思うんじゃないかなーと思います。だってもしpkに出会っちゃったら、誰も「それはかけ間違えだ!」と突っ込まれたくないでしょう。それに、もしpkが着いた地が、日本だったら・・・。だから監督は映画を観た人にそう思わせたかったんじゃないかと。どうなんでしょう。

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