映画 2018.5.19

トゥルーマンショー  ( The Truman Show )

公開1998 年
製作国アメリカ
ジャンル
タグ

誰しも自分で決めた新しいことを始めようとすると、とても勇気がいるものです。例えば、今までずっと生活してきた実家を出る時や、新しい学校や職場に通うこと。何か新しいことを始めようとすると、人は今までのものをある程度捨てなければ先に進めないと思います。

僕は小学生の頃、自分の住んでいる小さな町が世界の全てでした。校区の外に出たことはありませんでした。なんとなく校区外に出るのは怖かったのです。親と一緒に車で遠出することはありますが、一人で校区外に出ることは絶対にありませんでした。しかし、ある時どうしても聞きたい音楽があり、CDをレンタルしたいと思っていました。僕の町にはCDショップもレンタルショップもありません。隣町にはレンタルショップがありました。一人で行ったことは一度もありません。親に、連れて行ってと頼んでみると、自転車で行けると思うよ。と結構簡単そうなニュアンスで言われたので、僕は意を決して自転車で行こうと決めました。

自転車の空気もしっかり入れ、少しのお菓子と、貯めた小遣いを持って出発です。なぜか、家を出た時にいつもと違う風景に感じました。見慣れた道を走り、遂に校区の境目に着きました。ここから先は未開の地。勇気を出して越えました。越えた瞬間ドキドキします。見慣れない景色を眺めながらようやくお店に到着。無事にCDを借りて、帰り道、なんと進み出して10分程して自転車がパンクしてしまいます。僕は「終わった」と思いました。どこにも自転車屋さんはないし、人通りも全くありません。どうしよう?色々と考えましたが、仕方なく歩いて自転車を押して帰ることにしました。すぐに通り過ぎたかった校区外をまさか歩いて通らなければならないなんて。日も暮れて来てなんだか怖くなってきました。僕の住んでいた町はかなりの田舎で街灯もほとんどありません。このまま帰れなかったらどうしよう?と何度も頭をよぎります。途中でお菓子を食べました。真っ暗な道でたった一人でお菓子を食べても美味しいのかどうなのかわからず、とにかく早く帰ろうと思い、すぐに出発しました。あたりは完全に真っ暗です。普段通りなれている道も全く知らない道のように感じます。県道を歩いている時、見知らぬ車の音がなぜかとても冷たく感じます。早く家に帰りたい。そう思いながら早足で歩きます。とても時間はかかりましたがなんとか家に到着。親はとても心配していましたが、僕は心の中で、何かとてもすごいことを成し遂げたような気持ちになりました。昨日までより世界が広く見えたような気がしてとても嬉しかったのを覚えています。

この映画も、その時の勇気について教えてくれていると感じました。ジム・キャリーが演じる主人公のトゥルーマンは平凡な保険会社のセールスマン。特に不自由のない生活を送っていました。しかしある時自分の生活がおかしいということに気が付き始めます。彼は自分の住んでいるこの街から出たことがありません。出る必要もなければ、出る勇気もなかったのです。しかし街を出ようと決心したトゥルーマン。勇気を出して一歩踏み出そうとするトゥルーマンの人生はどうなるのでしょうか?コメディーやヒューマンドラマの要素もありながら、哲学的でもあるこの作品は表現方法は少し過激ですが、とても良い作品だと思います。

コメント書いてくれると嬉しいです!

コメントが反映されるまで、少し時間がかかります。
名前、アドレス、URLは任意です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です